COLUMN 2025.05.26
これからテナントを借りて開業しようとする時、家を借りるのとは違いどのような流れなのか?何に注意して進めれば良いのか?テナントは事業の成功を左右する重要な要素です。一般的な賃貸住居を借りる際の流れと多少異なるところがあります。今回のコラムではテナント契約で失敗しないための具体的な注意点を解説します。
| 1.賃貸条件の確認
【契約時に必要になる資金】
物件の契約に必要な資金を把握しておきましょう。契約後必要になる費用を準備しておきましょう。
・賃料・共益費ーーー月々かかる家賃や駐車場、共益費
・敷金-------退去時の修繕費などに充てられる預かり金
・礼金ーーーーーーー契約時に大家さんへ支払うお礼金
・保証金ーーーーーー敷金と似ているが、原状回復費などを差し引いた残額が返金される
その他にも、不動産会社に支払う仲介手数料や家賃の保証会社加入の初回保証料などがかかってきます。不明な場合は仲介する不動産会社に問い合わせてみましょう。
【更新期間】
物件には契約期間が定められています。契約期間が終了した時の更新の方法について確認をしておきましょう。
・自動更新ーーー契約期間終了後も退去の意思を表明するまで自動的に更新されます。更新の時に費用はかかりま
せん。
・再契約ーーーー不動産会社で契約時と同様に書類の作成をし更新をします。不動産会社によりますが、更新料や
更新手数料がかかります。
更新期間は物件によりさまざまで1年契約~5年契約、長いものだと10年契約という物件もあります。3年契約
が平均的な期間です。
【解約予告期間】
解約したいときには何カ月前に通知しなくてはならないと物件毎に取り決めがあります。通常は3か月や6カ月前
に書面で通知するという事が一般的です。
| 2.使用目的、営業内容の確認
賃貸借契約書に使用目的が定められている場合、それ以外の用途での使用はできません。業種に制限がある物件
もあるので、契約前に家主の承認が必要な場合があります。
| 3.現状回復義務の確認
ほぼ全ての物件に現状回復義務というものがあります。どのような状況で貸し出され、退去時にはどこまで戻さなくてはならないのかを確認しておきましょう。
| 4.改装、内装工事の制限
内装工事については、工事を行う前に貸主の承認が必要な場合が多いです。特にダクトの設置による壁面に穴を
あける等は必ず事前に工事個所を貸主に確認しましょう。トラブルに発展することもありますので、確認が必要で
す。
そして、建築基準法や消防署に関わる工事も発生する可能性があります。こちらは設計者や工事業者に確認しても
らいましょう。
| 5.契約形態の確認
契約の形態には2種類あります。
・普通借家契約:契約期間満了後も基本的に継続可能が契約方法
・定期借家契約:契約期間満了で終了する契約(再契約可能な場合があります。)
| 6.保証人・保証会社の条件
個人の保証人が必要な場合や、保証会社の加入が条件になっている場合があります。
過半数の物件は保証会社必加入になります。
保証会社とは借主から家賃の入金がない場合でも貸主に家賃が支払われるという保証があり、貸主にとっては安心
感があります。保証会社の保証料や更新料なども必要になってくるので、前もって確認しておきましょう。
| 7.インフラ・設備の確認
電気、ガス、水道、通信設備等は内見時に現地で確認しましょう。
スケルトン物件では水道の蛇口もない物件があります。その場合は借主がテナント引き込みの給水から配管を設置
しなくてはならない場合もあります。
電気なども直接電力会社との契約ではなく、家主の方で一括契約していることがあります。その時は家主へ月々の
電気代金を支払う事になります。
エアコンやテナントに付随しているトイレはどんな状態なのか、誰がメンテナンスをするのかを確認しておきまし
ょう。
| 8.保険の確認
ほぼ全てのテナントで火災保険に必加入の条件になります。保証の範囲は実際に契約者の意向になりますが、店
舗となりますと複数の人が出入りする場所になります。何かあった時に充分にカバーのできる保証のある保険に加
入しましょう。
契約前に契約書をしっかりと確認し、見落としのないよう慎重に契約を進めましょう。