こんにちは、伊藤です。
今回はコラムを書きたいと思います。
テナントを借りる時、トラブルになりやすいのが、『現状回復』です。
今回はこの『現状回復』について書きたいと思います。借りる時は希望の物件に決まり、これから開業する希望に満ちた時なので、返すなんて事は考えないで、できるだけ長くお店を続けたい!と誰しもが思っているのかもしれませんが、ちょっと頭の片隅にでも留めておいた方が良いかもしれません。
『現状回復』がどんなトラブルになるのかと言うと、移転や閉店でテナントを返さなくてはならなくなった時にどのような状態にして貸主さんに返すのか?基本は借りた時の状態に戻さなくてはなりません。これは借主の負担となります。飲食店や美容院他お店はテナントを借りた時、その用途に使用していた物件でしたら良いのですが、それ以外の何もない状態の場合、そのお店が営業できるための改装工事をしなくてはなりません。特に飲食店、美容院などは、厨房器具を設置したり、シャンプー台を設置したりするので、給排水工事も必要不可欠です。カウンターなど設置したり、厨房を壁で区分けしたり必要な工事というのはかなりたくさんあるはずです。
この場合どこまでの状態にして返すのかをテナント契約時に取り決めておかないと、借主、貸主双方の考え方が違い、トラブルに発展するケースが多々あります。
現状回復の費用はどのくらいかかるのでしょうか。
店舗の広さやどのような工事をしたのかによりますが、飲食店は他の業態に比べて現状回復費用が高額になる事が多いと言われています。坪単価3万円~5万円くらい想定しておいた方が良いでしょう。あとは、工事の方法により違ってきますが、現状回復を見据えた工事方法という事も設計している私たちは頭に入れておかなければならないでしょうね。
テナントの現状回復で例外はあるのでしょうか。
借りた状態がスケルトン状態であれば(スケルトンとはテナント区画の壁しかない状態、店舗の内装設備がない状態の事を言います)基本はスケルトンに戻す事になりますが、中には『居抜き物件』として退去する事が出来れば現状回復は不要になります。次に同じような業態を入れる事が出来れば次の借主は改装にかける初期費用を抑えられる事になりますし、前の借主は現状回復工事にかける費用がなくて済みます。貸主の中には全てを撤去して返されるよりは、間仕切りや設備を残して使えるようにしておいた方が次の借主が見つかりやすいと言われる事もあります。何かしら残置物がある物件も少なくありません。
まとめ
テナントの場合はアパートと違って、業種によりどのくらいの改装をするかも人それぞれです。どこまで戻すのかは契約の時にある程度のラインを取り決めておく事がトラブルの回避になると思います。契約書、重要事項説明書には必ず目を通し、細かい部分も確認する事を忘れないようにしましょう。ただ、初めての開業の時は他にもたくさんやる事がありますし、工事の部分はプロでないとなかなか理解できない事がありますよね。私たちが関わらせて頂く時には、この現状回復についてしっかりと話を詰めて借主様にご案内するよう心がけております。
記事/(株)WORKS-ZERO 企画室 伊藤
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